ドライブシャッドの活躍と開発秘話。
The DoLive Shad made a great jobs!! I think you already know that DoLive Shad is great.
今日のフロリダレイクでももちろんの事、ここのところ、自分のまわりでドライブシャッドが活躍しているという話をよく耳にする。
たとえば先日、潮来マリーナ内の管理釣り場・富士見池で開催したO.S.Pバスフィッシングマスタークラスでは、20匹以上と最も数を釣ったジュニアが使っていたのがドライブシャッド3.5インチのノーシンカー。アベレージが25~30cmという管理釣り場のバスに対して、3.5インチというサイズは大きすぎると思うかもしれないが、このリグで釣っていることをほかの参加者の方に教えてあげると、すぐにバスをキャッチすることができた。このときはオフセットフックの1/0~2/0にセットし、キャストしたら自発的アクションを発生しながらボトムまでフォール。ここでバイトがなければちょっと引いてから止めて、またフォールという使い方で、バイトのほとんどはこのフォール中に発生したという。
またJB TOP50の北浦戦において2位を獲得した横山朋毅プロも、ドライブシャッド3.5インチの3.5gライトテキサスで3日間釣り切って、ハイウエイト戦となったこの試合で2位を奪取した。安定したテールの動きとローリングアクションを生むオーソドックスなライトテキサスは、自分を含め多くのアングラーにとって確実に釣果をもたらすテッパンのリグだろう。これに対し横山プロの使用方法はちょっと特殊で、ドライブシャッド3.5インチの背と腹を逆にセット(写真参照)。
ボディを上下逆にセットすることで泳ぎは不安定になるものの、よりスローリトリーブでも動き、なおかつチドリアクションやヒラを打つような動き、そしてカーブフォール中には自発的アクションも発生する。そんな動きがよかったのではないか、と横山プロ。みなさんもぜひ、試してみてほしい。
ドライブシャッドは、これまで自分がコンセプトやアイデアを出してきたアイテムの中で、ひとつの名作であると自負している。これまでのシャッドテールワームは引けば泳ぐが、動きを止めると泳がないどころか不自然な姿勢でフォールしていくものが多かった。そこで水平に近い姿勢をキープし、まるでドライブスティックのようにフォール中でも自発的に動くという構造をシャッドテールワームに取り入れることができれば、かなり強力な武器になるのではないだろうか、と社内会議で提案。ただし、口で言ってもその意図を理解するのはたやすくないと思い、既存のシャッドテールワームにウエイテッドフックをセット。さらにネイルシンカーをインサートするなどして強制的にワームの腹部を下に向けてフォールさせた。と同時に、テールが多少、泳ぐような動きも発生させた。これによってドライブスティックのように低重心にし、かつ腹からテールにかけて細くしなやかにすることで、ウエイテッドフックをセットしなくても、たとえスローフォールでも、ロールおよびテールアクションを発生することを証明した。とはいえ、頭で描いたものがそう簡単に実現するはずもなく、開発はいつものように難航した。ワーム開発を担当していたスタッフは夜な夜な試行錯誤を繰り返す毎日… ある意味、ドライブスティック以上に難しい作業だったと思う。
話しは逸れるがドライブスティックの場合は、自分がいろいろなスティックベイトを使ってきた中で、フルークやスラッゴーに代表される低比重でダートが得意なタイプに加え、ヤマセンコーのようなフォール時に自発的にユラユラ動きながら落ちていく、そんなアイテムがほしいと思い、開発をスタート。ピンテールの先端を太く、そしてボディは縦扁平(断面が長方形に近い形状)、さらに腹側に塩をたくさん入れて低重心化することで、ボディ全体がロールしながら、同時に先端を太くしたピンテールが左右にスイングする、という構造を求めた。実はこの時も既存のスティックベイトに、実戦では不向きな大きなフックやウエイテッドフックをセットしたり、極端に細いラインで理想とする動きが出せることを掌握。これを通常のオフセットフックやライン(実戦的なサイズという意味)を使用しても、しかもスローフォールでも(速く沈めば動きが出るのは当たり前)、ボディのロールやテールのスイングアクションが出るものを作り出すことに成功した。企業秘密もあるのであまり詳しくは言えないが、最終的に狙ったアクションが出せず途方に暮れかかっていた開発スタッフの前で、腹に小さなネイルシンカーを入れてその動きを出して見せた。つまり、塩の比重を調整すれば狙いのアクションが出ることをアドバイス。
自分が思う開発というのは物理的、および力学的構造を取り入れることによってこれまでにない動きを出せる。ちょっとした形状や素材の差などではなく、例えばクランクベイトならハニカムスーパーHPボディとワンウエイトアンダーバランスシステム、駄肉を排除するための横アイや、ワームであれば先述したように腹側に塩を多く入れて低重心化することによって、他とは決定的なアドバンテージを生む機構を考えることなど根本からそれまでの常識を覆すような発想に頭を回転させることだと常々思っている。幅広い釣り場や状況で釣りをすることを心がけ、世に数多く存在するルアーを使い込むことで、その弱点や改良点を見出す。さらに、釣りの効率を上げるためのアイデアも重要。例えば瞬時にそのウエイトを見分けることができるよう、ハイピッチャーのビーズの色をウエイトによって変えたことや、フックを刺す位置ひとつで動きが大きく変わってしまうネコリグやワッキーリグにおいて、誰もが最高のアクションで使えるその目安となる突起(ポッチ)を設けたドライブクローラーおよびHPシャッドテールなど、シンプルな構造の中に効率性や機能性を求めたりすることもまた、ルアー開発において重要な項目であると考えている。
ドライブシャッドに話を戻すと、開発段階から素晴らしいテスト結果を叩き出しており、自分はこの時点で確信めいたものを抱いていた。その結果は目を見張るものであったといっても過言ではなかった。巻いてくるとつけてくるもののUターンするバスに対し、フリーフォールさせると再び振り返ってためらうことなく口にする。そんなシーンをいくつも目の当たりにし、ドライブシャッドの効果を確信していた。また、スローリトリーブ性能やバジングで使用した時の回転のしにくさは、開発スタッフの努力の賜物。最初はドライブシャッドのポテンシャルに半信半疑だった光大郎も、淀川というハイプレッシャーな河川でのおかっぱりロケで50cmクラスをキャッチし、確信へと変化。いまでは光大郎にとっても、なくてはならいアイテムとなっているようだ。
O.S.Pが世に送り出すルアーは、すべてにおいて明確な狙いがあり、これまでにないような、フォルムは一見オーソドックスでも、水中に入れてみると「ほう、そうきたか」「なるほど、それならサカナが釣れる」と思ってもらえるようなモノ作りを心がけている。それは感覚ではなく、物理的法則によって裏付けされた確固たる理詰めの結論なのである…
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
by Toshinari Namiki
今日のフロリダレイクでももちろんの事、ここのところ、自分のまわりでドライブシャッドが活躍しているという話をよく耳にする。
たとえば先日、潮来マリーナ内の管理釣り場・富士見池で開催したO.S.Pバスフィッシングマスタークラスでは、20匹以上と最も数を釣ったジュニアが使っていたのがドライブシャッド3.5インチのノーシンカー。アベレージが25~30cmという管理釣り場のバスに対して、3.5インチというサイズは大きすぎると思うかもしれないが、このリグで釣っていることをほかの参加者の方に教えてあげると、すぐにバスをキャッチすることができた。このときはオフセットフックの1/0~2/0にセットし、キャストしたら自発的アクションを発生しながらボトムまでフォール。ここでバイトがなければちょっと引いてから止めて、またフォールという使い方で、バイトのほとんどはこのフォール中に発生したという。
またJB TOP50の北浦戦において2位を獲得した横山朋毅プロも、ドライブシャッド3.5インチの3.5gライトテキサスで3日間釣り切って、ハイウエイト戦となったこの試合で2位を奪取した。安定したテールの動きとローリングアクションを生むオーソドックスなライトテキサスは、自分を含め多くのアングラーにとって確実に釣果をもたらすテッパンのリグだろう。これに対し横山プロの使用方法はちょっと特殊で、ドライブシャッド3.5インチの背と腹を逆にセット(写真参照)。
ボディを上下逆にセットすることで泳ぎは不安定になるものの、よりスローリトリーブでも動き、なおかつチドリアクションやヒラを打つような動き、そしてカーブフォール中には自発的アクションも発生する。そんな動きがよかったのではないか、と横山プロ。みなさんもぜひ、試してみてほしい。
ドライブシャッドは、これまで自分がコンセプトやアイデアを出してきたアイテムの中で、ひとつの名作であると自負している。これまでのシャッドテールワームは引けば泳ぐが、動きを止めると泳がないどころか不自然な姿勢でフォールしていくものが多かった。そこで水平に近い姿勢をキープし、まるでドライブスティックのようにフォール中でも自発的に動くという構造をシャッドテールワームに取り入れることができれば、かなり強力な武器になるのではないだろうか、と社内会議で提案。ただし、口で言ってもその意図を理解するのはたやすくないと思い、既存のシャッドテールワームにウエイテッドフックをセット。さらにネイルシンカーをインサートするなどして強制的にワームの腹部を下に向けてフォールさせた。と同時に、テールが多少、泳ぐような動きも発生させた。これによってドライブスティックのように低重心にし、かつ腹からテールにかけて細くしなやかにすることで、ウエイテッドフックをセットしなくても、たとえスローフォールでも、ロールおよびテールアクションを発生することを証明した。とはいえ、頭で描いたものがそう簡単に実現するはずもなく、開発はいつものように難航した。ワーム開発を担当していたスタッフは夜な夜な試行錯誤を繰り返す毎日… ある意味、ドライブスティック以上に難しい作業だったと思う。
話しは逸れるがドライブスティックの場合は、自分がいろいろなスティックベイトを使ってきた中で、フルークやスラッゴーに代表される低比重でダートが得意なタイプに加え、ヤマセンコーのようなフォール時に自発的にユラユラ動きながら落ちていく、そんなアイテムがほしいと思い、開発をスタート。ピンテールの先端を太く、そしてボディは縦扁平(断面が長方形に近い形状)、さらに腹側に塩をたくさん入れて低重心化することで、ボディ全体がロールしながら、同時に先端を太くしたピンテールが左右にスイングする、という構造を求めた。実はこの時も既存のスティックベイトに、実戦では不向きな大きなフックやウエイテッドフックをセットしたり、極端に細いラインで理想とする動きが出せることを掌握。これを通常のオフセットフックやライン(実戦的なサイズという意味)を使用しても、しかもスローフォールでも(速く沈めば動きが出るのは当たり前)、ボディのロールやテールのスイングアクションが出るものを作り出すことに成功した。企業秘密もあるのであまり詳しくは言えないが、最終的に狙ったアクションが出せず途方に暮れかかっていた開発スタッフの前で、腹に小さなネイルシンカーを入れてその動きを出して見せた。つまり、塩の比重を調整すれば狙いのアクションが出ることをアドバイス。
自分が思う開発というのは物理的、および力学的構造を取り入れることによってこれまでにない動きを出せる。ちょっとした形状や素材の差などではなく、例えばクランクベイトならハニカムスーパーHPボディとワンウエイトアンダーバランスシステム、駄肉を排除するための横アイや、ワームであれば先述したように腹側に塩を多く入れて低重心化することによって、他とは決定的なアドバンテージを生む機構を考えることなど根本からそれまでの常識を覆すような発想に頭を回転させることだと常々思っている。幅広い釣り場や状況で釣りをすることを心がけ、世に数多く存在するルアーを使い込むことで、その弱点や改良点を見出す。さらに、釣りの効率を上げるためのアイデアも重要。例えば瞬時にそのウエイトを見分けることができるよう、ハイピッチャーのビーズの色をウエイトによって変えたことや、フックを刺す位置ひとつで動きが大きく変わってしまうネコリグやワッキーリグにおいて、誰もが最高のアクションで使えるその目安となる突起(ポッチ)を設けたドライブクローラーおよびHPシャッドテールなど、シンプルな構造の中に効率性や機能性を求めたりすることもまた、ルアー開発において重要な項目であると考えている。
ドライブシャッドに話を戻すと、開発段階から素晴らしいテスト結果を叩き出しており、自分はこの時点で確信めいたものを抱いていた。その結果は目を見張るものであったといっても過言ではなかった。巻いてくるとつけてくるもののUターンするバスに対し、フリーフォールさせると再び振り返ってためらうことなく口にする。そんなシーンをいくつも目の当たりにし、ドライブシャッドの効果を確信していた。また、スローリトリーブ性能やバジングで使用した時の回転のしにくさは、開発スタッフの努力の賜物。最初はドライブシャッドのポテンシャルに半信半疑だった光大郎も、淀川というハイプレッシャーな河川でのおかっぱりロケで50cmクラスをキャッチし、確信へと変化。いまでは光大郎にとっても、なくてはならいアイテムとなっているようだ。
O.S.Pが世に送り出すルアーは、すべてにおいて明確な狙いがあり、これまでにないような、フォルムは一見オーソドックスでも、水中に入れてみると「ほう、そうきたか」「なるほど、それならサカナが釣れる」と思ってもらえるようなモノ作りを心がけている。それは感覚ではなく、物理的法則によって裏付けされた確固たる理詰めの結論なのである…
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
by Toshinari Namiki