B.A.S.S.ノーザンオープン第2戦を終えて。
というわけでここではちょっと、この一戦について振り返ってみようと思う。
プラクティスの感触は、あまりよくなかったというのが実際のところ。とはいえトーナメント初日の朝は強いインカミングカレント(海から逆流してくる流れ)が味方してくれて、ノーミスであればトップウエイトに迫るバイトを得ていた。結果的に4匹のバスをウエイインしたものの、そのどれよりも大きそうな5匹のバスはすべてミスるという、信じられない一日だった。
今回のエリアは海に近いスポットで、フジツボなどの貝類が生えているところが多く、そういった場所ではPEライン、もしくはフロロの20lbをチョイス。それら貝類がない場所では14lbのラインを使用していた。だが、その使い分けで選択ミスを犯し、何より6ポンドクラスの最大魚はフッキングが甘く、バスの背中や口が丸見えになる位置まで寄せたところでフックオフ。これはPEラインを使用していて、本来であればハリアー(7フィート1インチ・Hアクション)でリグるべきところを、前夜トップガイドのリングが抜けていることに気づき、スペアガイドを持っていたものの交換する時間的余裕がなく、1ランク柔らかいロッドで挑んだがゆえのミスだった。翌2日目は、意地もあってそのタックルをそのまま使用し、4.5ポンドはキャッチしたが、2番目に大きなサカナは明らかにフッキングパワー不足で逃してしまった。スティーズポッパーフロッグでの良いバイトもフックポイントの向きのチューニングを怠り無念のスッポ抜けなど、メンテ不足が原因となるミスをあげたらきりがないぐらいだ。
第1戦のオネイダでは硬いロッドに8lbラインを使い、2日目にアワセ切れを連発。タックルのちょっとした準備不足などで、順位を大きく落としてしまっている現実… 正しいタックルセレクトや使いこなすための体の慣れを含めて、アメリカの釣りに対する時間と準備がもっと必要であることを改めて痛感した。
また今回の第2戦では初日の朝一に、深江真一プロとエリアがバッティング。タッチの差でそのエリアに入り負けた(朝は彼の後を流し、そこで3匹をキャッチした)。深江君は初日のトーナメントリーダーになったため、2日目にその場所に入ることを避けた事もあり、より苦しい展開になってしまった。
これで2戦を終えたわけだが、ここまでの率直な感想は「全ての準備&プラクティス不足」。経験がないフィールドやエリアでの試合であり、加えてまともな情報やローカルのヘルプなどがない状況で戦っている。そんな中でたとえ試合で使うエリアを見いだしたとしても、そこからさらにそのエリア内でスポットやパターンを増やすための釣り込む時間は1~2日ほどしかない。わずか1週間のプラクティスでは十分なスポットを持つこともできない、同一エリア内に今の2~3倍のスポットを持たないといい結果は生まれないだろう。フィールドのタイプにもよるが未経験レイクでは少なくとも2週間のプラクティスは必要だと感じている。
ちなみに今回の第2戦では、日本人選手が大活躍。3位に深江真一プロ。9位には加藤誠司さん。イヨケンも16位と、ここ何年も真剣にトーナメントに打ち込んできている人たちが好成績を残したことは、本当にうれしい。そして優勝したRick Morrisと、3日間のBiggest Weightを記録したPete Gluszekという二人は、自分が20年前にB.A.S.S.に出ていたときに仲がよかったバディ。その後もトーナメント活動を続けてきている。
自分はこの10年、トーナメントから離れていたけれど、逆にこの間、アメリカだけでなくいろんな国での釣りも経験し、友人も出来た。そしていまの自分がいる。今後もより一層の努力をして、Bass or Die の精神を貫いていきたい。
by Toshinari Namiki