2013WBSスーパー3デイズの初日に見る最強パターン&バスフィッシングのゲームとしての最高の一面
2013-7-19 カテゴリー:テクニック
今回はO.S.Pプロスタッフ松村君とチームを組んで出場した2013WBSスーパー3デイズの話を詳しくしたいと思う。
もちろん3日間出たかったのだが、仕事の都合で初日だけ参戦となってしまったので初日のみの話となる。
結果から言うと、自分たちは5本5930gと言うウェイトを釣ることができ、初日のトップウェイトを得ることができた。
とは言っても、今回自分は前日まで別水系で取材をしていたため、完全なるノンプラクティス。よって主導権はボーターである松村君に譲り、自分はバックシートからのフォローの釣りに徹したんだ。
釣果は松村君が約8本、自分が約4本。ウェイインした魚の5本においては松村君が3本、自分が2本という内訳だ。
ちなみに最大魚の1530gは自分が釣り、初日のBig Fish賞も得ることができた。
それでは、そのトップウェイト得ることができたドハマりと言えるパターンを紹介しよう。
当日の状況は曇天無風(時折薄日が差し込む)で数日前より10cmくらい増水していた。これは、ある意味最高のコンディションと言え、実際バスもうわずっていたんだ。
とは言っても、雨は1滴も降っていなかったので強いトップウォーターでは反応しにくい状況でもあった。
そう言うわけで1本目こそ松村君が約600gをポッパーで釣ったのだが、その後は松村君がHPF SPEC2をメインに釣って行き、それを自分がドライブスティック4.5インチのバックスライドでフォローして行く釣りだった。
特に面白いように反応があったのがHPF SPEC2を使った、水面ヒラヒラチョンチョンの釣りである。これでかなり多くのバイトを得ることができた。キャッチしたのは5匹だったがミスバイトを入れると、その倍以上のバスが反応していた。
これは主にアシ際にキャストし、そこから沖に引いて来るのだが、具体的には、アシ際にキャストして、一度チョンと引いて、5~10cm潜らせ、また浮かせて2秒ほど待って、またチョンとダイブさせる。これを繰り返すと数m以内にバイトがあるんだ。
霞ヶ浦水系のアシ際は浅すぎてプアーな場所も多いが、そういった場所でもこのパターンはアシから少し離れた沖にいるバスに極めて効果的だったんだ。よくフローティングミノーを使って、このような釣りがハマることも多いが、それは割とクリアーウォーターや特定の細長いベイトを追っている時の話で霞ヶ浦水系のようなマッディがかったフィールドにおいてはフローティングミノーだとアピールが弱すぎる時もある。それがフラットサイドだと側面の面積が大きいのでフラッシングと強い波動で気付かせることができる。なおかつブルーギルやフナ、タナゴといった平たいベイトフィッシュが多い水域ではHPFの方がはるかにマッチザベイトになるんだ。
後、この時期の特徴として、まだスポーンがらみのバスも一部いる。このような状況においては細身のルアーよりも幅広のルアーの方がハマる可能性が高くなる傾向があるね。
自分個人も、これまでHPFを同じように使ってバスをたくさん釣ってきたが、ここまで面白いようにしかもトーナメント中にハマると本当に気持ちいいね!
そして、何よりそれを操る松村君のテクニックもすばらしいものがあったと思う!
このパターンで北利根から常陸利根がメインエリアに北浦でも数本釣り、前半だけで2人で約12本のバスをキャッチすることができた。
少なくとも初日はそれをやり通せばまだまだ数は伸ばせたが、2日目のためにセーブ。そして、後半はスーパービッグを求めて霞ヶ浦本湖に出たため時間を浪費してしまったんだ。
あと自分は当日の状況(前日の雨によって変わったフィールドコンディションなど)を読み、「カレントが通り、なおかつ濁り始めのアシを釣ろう」と提案することでボーターの松村君をアシストすることができた。
一通りアシで魚を釣った後は北浦のディープパターンをやろうかと言うことになりかけたが、それまで釣れているパターンをもっと探していこうと提案し、方向転換。これが1530gのビッグフィッシュに結び付いたと言えるね。
ちなみにこのビッグフィッシュ。自分はドライブスティック4.5インチのバックスライドセッティング(フックはFINAのFPPストレート3/0)で最初はグリパンブルーフレーク系のカラーを使っていたのだが、あまりにも松村君の白系のHPFに反応がよかったため、パールホワイトベースのワサギカラーに変更したところ最大魚につながったんだ。
(4本の内3本はバックスライドであるが、あと1本はドライブクローラー4.5インチのウィードレスネコリグ(NSSフックの1/0)でも釣った。)
また当日は試さなかったが、本来この状況であればドライブスティックのオフセットフックを使った通常のノーシンカーセッティングも有効だったと思う。アシ際に落とし、そこから手前に泳がせ、またフォールさせるアクションの方がより広い範囲を探れるためだ。
そう言うわけで本来もう2日間釣ってチームに貢献したかったのだが、初日を終え八王子へと戻ったんだ。
そして、2日目。
3本のバスを持っていたようだが、なんとガス欠で帰着遅れ。
3日目もそこそこの魚を持っていただけに残念だ。
自分が同船していれば・・・などと思ったりもしたが、そんなほろ苦い3デイズだった。
ここで思い出すと、実は3デイズは2回目である。
1回目は4年前の2009年。この時はO.S.Pプロスタッフの千葉ちゃんと3日間出場し、2日目までは独走。3日目にたった1or2匹のウェイインに終わり100g差で負けてしまうという、こちらもほろ苦い想い出がある。
自分は前日まで野尻湖で取材と言う今回と似た状況だったので基本バックシートからフォローする予定だった。しかし、朝2時間で千葉ちゃんのパターンが崩れていることを受けて自分のパターンへ移行することにした。
千葉ちゃんは超ストロングな釣りをする、勝つときはビッグウェイトと言うそんな男。逆にフォローの釣りは・・・少なくともこの時においては全くと言っていいほどできなかった。
しかし、それが千葉ちゃんの魅力でもあるんだが・・・。
それゆえ3日間のバスは全て自分がエリアを選び(と言っても数少ない自分が知っている北浦のスポットを回っただけだが・・・)、前でエレキを踏み、ほとんどのバスを自分が釣った。初日はなんとスーパーラッシュ!5本5600gのバスを釣り、ぶっちぎることができた。
3日目は自分が釣ったのは1or2本だったのだが、千葉ちゃんは不慣れなスピニングタックルに来た唯一のバイトを切られてしまい・・・そういう結果で準優勝と、ほろ苦い想い出が続いている3デイズである。
来年も出場してなんとかリベンジしたいと思っている。
今回3デイズに出場してみて、やはりバスフィッシングというのは自然を相手にした最高のゲームであり、スポーツであると確信した。
以前フジテレビのジャンクスポーツに出演した時に、ダウンタウンの浜ちゃんから「釣りのプロって言ったって、アンタ、釣りって運じゃないの?」というツッコミを受けたのだが、全くもってそうじゃないんだ。
その時に正しいエリアで正しいことをすると面白いようにバスが釣れてくる。
常にではないが、それにハメられるかどうかはその人が持つ努力からなるポテンシャルや努力からなるフィールド知識の結果であり、それにハマった時の笑いが止まらない瞬間がたまらなく自分は好きだ。
今回の3デイズ初日、数・ウェイト共に我々がトップだったが、誰がHPFで釣ったと思っただろうか?
恐らく出場したメンバーですら誰も投げていないだろうし、当日はクランクベイトでは釣れないとほとんどの選手が口を揃えているほどだった。
ただストレートリトリーブで使うクランクベイトではなく、水面をまるでトップウォーターのように扱う。しかし、完全なるトップだとバイトしない。そんなタフなバスに対して、水面から数cmダイブするだけで劇的に変わりストライクが取れるようになる。
(その間自分もノーシンカーワームなどでフォローするが、そう言ったカバーについてない浅瀬にいるバスについては反応させることができなかった。)
このパターンは一例だが、このように「あるルアー」の「ある使い方」に強烈に反応して目からウロコな時もあるし、「同じルアー」で「同じレイダウン」に100人の人が投げても釣れず、101人目にアプローチした人がスーパーナイスなキャストが決めた時に釣れることだってある。
そんな奥の深さがバスフィッシングの最大の魅力だね。